摠見寺特別拝観
安土城址にある摠見寺(そうけんじ)は、
信長が生前中に建立した寺院である。
今は臨済宗妙心寺派となっている。
嘉永七年に二王門と三重塔以外は焼失してしまい、
現在は大手道の右手にある家康邸跡に仮本堂としている。
この仮本堂で不定期に特別拝観を実施している。
本堂内の拝観のほか、
お茶室にて呈茶もおこなっている。
拝観するには受付にて特別拝観料が必要。
摠見寺(仮本堂)
信長公350回忌を記念に、宮内庁より京都御所の一部を昭和4年に賜り、同8年に家康邸跡に建てられ完成した摠見寺(仮本堂)。
特別公開実施日には、内部の拝観ができる。
玄関を入ると
玄関を入ると摠見寺の3代前住職であった、暮雲軒近藤文光老師の大きな木造が出迎える。近藤文光老師は妙心寺専門道場の師家として多くの弟子を輩出された後、この摠見寺に隠棲された。
須弥壇
本堂中央の須弥壇中央には、ご本尊十一面觀世音菩薩立像。室町時代の一本造りの仏像である。
向かって左側には信長公の尊像を安置。江戸時代初期の作とみられる。右手に笏を持ち冠を被り、黒衣の束帯を纏っている。信長公の戒名は「摠見寺殿大相国一品泰巌大居士」という。
向かって右の開山坐像は円鑑禅師(剛可正仲)。織田一族の織田信安の三男であった。開山以来5代にわたって織田家の末裔が住職となり信長の菩提を祀ってきた。この開山坐像は寛政8年に当時住職の天領宗篤が企画して造ったもの。
襖絵「老櫻」
本堂の襖絵は近年新調されたものである。
この「老櫻」と題された襖絵は、赤沢嘉則(1971~・京都在住)の作。
襖絵「安土八景」
摠見寺の執事も勤めていた山本燈舟(昭和3年~)による襖絵。安土に住み、折々の風景を眺めながら水墨画で描いたもの。
襖絵「十牛図」
西村惠信(昭和8年~)による色紙に描いた十牛図を貼り襖にしたてた。花園大学学長を勤められた、近隣の興福寺(妙心寺派)の先住職。現住職・加藤耕文和尚の恩師でもある。
茶室にて抹茶と菓子を
呈茶
摠見寺の特別拝観を申し込まれると、
茶室で抹茶と菓子を召し上がって頂ける。
菓子は住職の手作り。心静かにどうぞ。
大鐘の音を愛でる
摠見寺にある大鐘は、いつでもご自由に撞いて頂ける。除夜の鐘は百八つの煩悩を払うためというが、一打一打に心をこめて撞いて頂きたい。